どれぐらいの時間が経ったであろうか。

宮部は未だ夢の中にいた。


見慣れた風景、見慣れた町並み。


目の前には2階建ての古いアパートがある。


そんな古いアパートを車内から宮部は見つめていた。


車内は今乗っている車よりも幾分か綺麗に見えるが紛れも無く同じ車のようだ。


宮部がひたすらアパートを見つめていると一人の男性が現れアパートの階段を登りだした。


宮部はとっさにカメラを手に取りその男にピントを合わせる。


何枚か写真を撮りながらもその男は2階のある部屋のドアの前で立ち止まった。


数秒後、ドアが開き女性が顔を出してその男と何か話しをしているようだ。