「あの~、おはようございます。」

宮部と日野は同時にめぐみの方を見る。


そこでようやく宮部はなぜめぐみがいるのかを思い出した。


「そうだそうだ。家の鍵忘れて時間も時間だったし朝まで事務所にいてもらったんだったね。」


「あ、はい。すみません。有難うございました。それでは、失礼しますね。」


宮部はベッドから起き上がり寝癖のついた状態で「いえいえ。気をつけて。」と言いめぐみを見送った。


事務所のソファには綺麗に折りたたまれた毛布が置いてあり、微かに香水の甘い香りが残っている。


「いやぁ、日野君悪かったね。あ、これ領収書置いとくね。」


宮部は鞄に入れておいた昨日の領収書とおつりの入った封筒を日野に渡した。