コツっコツっとヒールの音が響いてくるのが聞こえる。


「お、おい！日野君！お客さんきたかも！」


宮部は慌てて日野に伝えると、身長１５０ｃｍにも満たない小柄な身体を素早く動かし、慌ててテレビを消しみかんのゴミを片付け始める。


数秒後、事務所のドアがゆっくりと開き可愛らしい顔に夜の嬢を彷彿とさせる服装の女性が現れた。


年齢は２０代だろうか。まだ若干の幼さを感じる。


女性は小さな声で「あの～探偵さんにお会いしたいんですが…」と呟くと宮部はシャキッとした顔つきになり中に入るように促す。


日野はあまりに大胆な格好の女性を前にして呆気にとられている。


「私が宮部探偵事務所の宮部翔です。どうぞお座りください。」といい名刺を渡す宮部の視線は胸元に釘付けになっているようだった。


女性は名刺を受け取りながらソファへと腰をかける。


日野は我に戻ったように温かいお茶を用意し始めた。