時刻は21時10分。


宮部はゴリラビルへと来ていた。

全体的に古びたビルだが、車の数から意外と繁盛しているように伺える。


一階の少し大きめな扉の前には『ハニーガール』と書かれた看板がクリスマス仕様にデコレートされ、その下に『本日クリスマスイブの為1タイム3000円』と書かれていた。


宮部は胸の高鳴りを抑えつつ扉を開けるとボーイであろうスーツを着た中年の男性が問いかけてくる。


「いらっしゃいませ。ご指名はありますか?」


店内は全席カウンタータイプとなっており、カウンターテーブル越しに女の子と会話をしながら楽しむスタイルのようだ。


宮部は「フリーで。」と答えると席に案内された。


席についてすぐに10代ではないか?と思える程、幼い見た目の女性が宮部の前につく。