背中に“夏祭り”の文字がプリントされた法被を身にまとった人達が、忙しなく動き回っている。

祭りの会場となる村役場に来ていた宮崎は、その光景をぼんやりと見つめていた。


「おっと!ごめんね」

「あっ、すいません……」


不意に、後方からドンッと肩がぶつかり、宮崎は慌てて脇に避ける。


「ちょっと、気をつけなさいよ」

「わかってるよ」

「わかってないからぶつかったんでしょ」


二人掛かりで大きなダンボールを運ぶ若い男女の姿に、何年か前の自分と和果子の姿が重なる。

やいのやいのと言い合いながら、役場の建物に入っていく二人に、懐かしさで思わず頬が緩んだ。


「なに、ニヤニヤしてんのよ」


すると、背後から突然険悪な声が聞こえて、宮崎は慌てて振り返った。

振り返って、その先に見たものに目を見張る。