仕事に行って1LDKに寝に帰るだけの繰り返しの
真面目だけが取り柄のアラフォー独身男だった
そんな平凡な日々に何かスパイスがほしくて始めたアプリがきっかけで
こうして今危ない橋を渡っている
でも
「ママが刺身包丁片手に暴れるからおうちに帰りたくない」
「元カレがストーキングしてくる」
「妹が超能力で物壊してこわい」
本当かどうかも分からないようなことを訴える
その肩は確かに震えている
とても辛い悩みを抱えているのは分かる
「かじくんがいれば少しも怖くないね」
俺が守ってあげなくちゃ
「これからもかじくんのこと頼りにしてもいいかにゃ?」
無理に笑うぁりすちゃんがあまりにも儚く
ぁりすちゃんをギュッと抱き締める
「ぁりすちゃん…一緒に暮らそう」
耳元でささやくと
ぁりすちゃんの目からつぅっと涙が流れ
こくん
とうなずいた