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「…んせ……ほんとに………ほんとに芽衣は……あと…半年しか……」
半年……?
「お母さん、最悪の場合ということですから。芽衣ちゃんはよく頑張ってくれます。きっと、奇跡は起こしてくれます。だから、お母さん、支えてあげてくださいね」
これは……夢…?
「先生、芽衣ちゃんの意識が回復してきました。」
これが…現実なんだ……。
ぼやっと、視界に明かりが差し込む。
「芽衣ちゃん、わかる?わかったら、手握って?」
先生が私の手を包む。
少し握り返した。
力が入らない…。
「芽衣、お母さんよ……ごめんね、ずっといてやらなくて……」
ほのかに見えるお母さんの顔は赤く腫れぼったい。
泣かなくていいのに……
もう決められた運命なんだ、きっと。
だんだん意識がハッキリして、カスカスの声が出た。
「…お母さん……迷惑…掛けて…」
「芽衣、謝らないで?お母さんが悪いの……こんなにっ…芽衣を放置して……」
「悪くない……」
喉がカスカスで、咳が出る。
「お母さん……」
「…なに?」
「学校には……」
「分かってる、でも…テストあるでしょ?……先生にだけ、言ってもいい?」
頷いた。
お母さんとは、そんな会話を少し交わして、また仕事と言って外へ出た。