今日は振り返らず、まだすぐ歩いていった。


なんで……なんでわたしがこんな目に遭わなきゃならないの?


JKを……満喫したい…


またバスが停まった。


降りなきゃ……


定期を出して、立つ。


すると、急に視界が歪み始めた。


そのまま、胸がグーッと痛くなってきた。


これは…


これは……


……まずい痛み?


「芽衣ちゃん、大丈夫?」


運転手さんが声をかけてくれた。


もう降りなきゃいけないのに…


出口はすぐそこなのに…


胸が……チクチク…痛いっ…


いつの間にかカバンを落として、


いつの間にか、肘をぶつけて倒れていた。


「運転手さん、救急車呼びますから!エンジン止めてあげてください!」


乗客は私ともう1人だけだった。


「あの、大丈夫ですか!?」


痛みが増すどころか、吐き気までも出てきた。


ブラウスの第二ボタンまで下ろしてくれて、落としたカバンに頭を乗せて、気道確保して下さってる。


迷惑かけてすみませんって言いたいのに…


痛い……


サイレンが鳴って、救急隊の人が来た。


大丈夫ですか?大丈夫ですか?


と呼びかけられる声が、だんだん遠のいて……


そのまま意識が飛んだ。