「あ……奏汰君…2人学校残るってさ……」


そう言い終わって奏汰君の目を見た。


少しの沈黙の後互いに目をそらした。


ううっ……胸痛い…


これ何なの……心臓?


頬が赤く染まった奏汰君は、頭を掻きながら


「なら、二人で帰ろっか」


と。


「……うん!」


靴箱で靴を履いて、バス停に向かった。


バス停までの道のりがいつもより長い気がした。


2人は沈黙の中ゆっくり歩いた。


奏汰君は背が高いから1歩1歩が大きい。


着いていくのに必死だった。


バス停に着くと、ベンチに座った。


「俺さ……」


座って10分経った時、突然奏汰君は話し出した。


「芽衣ちゃんに一目惚れしちゃった…」


「……!?」


ん?


今なんて言った?


ひとめぼ…れ……?


「うっ……ごめんなんか変な事言ってた俺…」


変なことすぎるよっ…


私に惚れるなんて……おかしいよ…


「なんか……ごめんこんな…空気にして…」


「ううん……」


奏汰君も、カッコイイよって言いたかったけど…


そんなの言えるはずないよね……


そのままバスに乗っても沈黙が続いた。