ピピピ ピピピ
「体温計貸して?」
体温計を麗ちゃん渡した。
体温計を見て少し難しい顔をしていた。
え!?
何その顔?
どうしたの?
しーちゃんが横から体温計を覗いて、びっくりした顔をして私を見る。
ねぇ?どうしたの?
「ひなちゃん、今しんどくない?」
「大丈夫ですよ?」
次にしーちゃんが…
「ひーちゃん、38℃あるんだよ?
しんどくない訳ないでしょ?」
「嘘…あれ?…ゲホッゲホッ…ハァハァハァ…」
なんか…急に体が怠くなってきた。
苦しいよ……。
「ひなちゃん!?
大丈夫だよゆっくり深呼吸しようね」
私の体を起こし背中をさすってくれた。
「ヒックヒック…ゲホッ…ハァハァヒック…」
「ひなちゃん、泣かないで~
泣いたら余計にしんどくなるだけだから」
「ゲホッゲホッ…ヒックヒック…ハァハァ」
「僕、夏樹先生に電話して来ます!」
「あ、ありがとう雫君!」
保健室をでて行く。
「ゲホッゲホッ…ヒックヒック…」
治まるのに数十分かかった。
「夏樹先生がすぐ来るようにだそうです!」
保健室に戻ってきた。
「分かったありがとう雫君!」
「いえ、自分にできるのはこのぐらいしかないので…」
悲しそうな顔をしていた。
その後、すぐ麗ちゃんが車で病院まで運んでくれた。
病院につけば、夏樹が入口まで迎えに来てくれていた。
医局でのんびりとコーヒーを飲んでいると携帯が鳴った。
pipipipipipi…
[はい…山本です!]
[お忙しい中すみません…雫です
今大丈夫ですか?]
[おぉ…どうしたの?]
珍しい、雫君からかけてくるの。
[今、ひーちゃんの学校にいるんですが…]
[そ、それで?]
何かひなにあったのかな?
[ひーちゃんが、38.4℃の熱を出してて…]
[分かった。姉貴いる?]
保健室にいると信じて聞く。
[はい!ひーちゃんを見てくれています]
[それじゃ、病院まで運んで…]
[分かりました!それでは…]
まだ途中なのに切ってしまう雫。
10分後に姉貴の車が見えた。
「連れてきたよ~」
運転席からおりて後ろをあける。
「ありがとう」
雫に持たれかかってグッタリしているひながいた。
動けそうにないから、首と膝に腕を回して車から出して病院の中に入っていった。
「山本先生ありがとうございました」
姉貴に挨拶をして、走って俺の後をついてくる。
そのまま、診察室に運んでベッドに寝かした。
「何か聞いてる症状?」
手首を掴んで脈を計ってたりしている。
「いえ…4時間目から怠そうにしていたって事ぐらいしか知りません」
「そっか、ありがとう!」
「何も役に立て無くってすみません…」
しょんぼりしている雫。
「そんな事ないよ」
雫の頭を撫でる。
「よし、大丈夫そうだ」
診察を終える。
「良かった」
ホッとしているのが分かる。
「本当に、ひなの事好きだな雫はw」
「別にそんな事ありませんよ」
頬を少し赤くなっているのが分かる。
「ふふ、それじゃ…ひな貰うね?」
腕に点滴をしながら雫に言う。
「え?」
「だから、結婚前提で付き合う事になったからよろしくね雫!」
「本当にですか?」
「本当だよ~」
机に向かってパソコンをしている。
「グスン…グスン」
すする音が聞こてそっちを向くと雫が泣いていた。
「え!?ちょ…なんで泣いてるの」
あたふたする俺を見て雫が
「あっグスンすみません…嬉し泣きですグスン」
すぐ泣き止むんでと言って涙をふく。
「なんで嬉し泣き?」
「夏樹さんなら、ひーちゃんの事大事にしてくれると思ったから…」
改まった顔で雫が俺を見る。
「ひーちゃんを幸せにして下さいよ…よろしくお願いします!」
と頭を下げられた。
「こちらこそよろしく♪」
なぜだか分からないけど…握手までかわした。
点滴が終わってから、雫とひなを家まで送った。
「すみません…ここまで送って貰って」
頭を下げるひなのお母さん。
「いえいえ、何困った事があればいつでも良いので連絡下さい…それでは失礼します」
車を走らせて自分の家に向かった。
~ 山本家 ~
今日は久しぶりに実家に帰った。
ひなの家から車で20分くらいの場所。
「ただいま~」
『おかえり~』
葵と甥っ子と姪っ子がリビングから顔を出して言う。
甥っ子(蓮)と姪っ子(琴)は姉貴の子供。
「今日、姉貴帰ってきてるの?」
荷物をリビングに置いてソファに座り葵に聞く。
葵も俺の向かいに座る。
「うん、俺も姉貴も兄貴に聞きたいことあるから…」
「何、聞きたい事って?」