目を開ければ、手のひらには1つの鍵がおいてあった
「これなんの鍵?」
「家の鍵……。これ、なかったら家に来れないだろ?」
「確かに……」
何度か行こうと思ったけど、「夏樹、今日仕事だったどうしよう」って頭に過って諦める事が多かった
この鍵があればいつでも行ける…!
「ありがとう夏樹!」
今日1番の笑顔を見せると夏樹の顔が赤くなった
「ひなにさ……聞きたい事って言うか……お願いがあるんだけど……」
夏樹らしくない言葉
「なぁに??」
「……ひなが高校卒業後、一緒に住まないか?」
願ってもない言葉だった
「いい……の?」
「あぁ。もちろん、ひなのお母さんやお父さんからお許しが出たらの事だけど……」
「私、夏樹と暮らしたい!もし、お母さん達がダメって言っても絶対住む!!」
「フフ……良かった」
安心したように笑う夏樹
「断ると、思ってた?」
「正直、少し思ってた。でも、結果オーライ!」
今度は夏樹の飛びっきりの笑顔で私の顔が暑くなったのがわかる
『おーーー!!!!』と大きな声がグランドから聞こえる
「ひな、見ろよハート!」
夏樹が指さす方向に、ピンク・赤など暖色系ハートの形をした花火が上がっていた…
「うん、すごく綺麗だね!」
外からは、拍手する音も聞こえてきた
一瞬で散ってしまったけど、恋人の間で噂になっていたハートの花火が見れて良かった
これで、私と夏樹も結ばれたかな?
☆
「やだ……行きたくない……」
あっという間に、3日間の学園祭が終わってしまった
「ひ~な~」
「やだ。病院行きたくない!」
再び保健室のベットに横になった私は、布団に丸まっている
なぜって?
病院に行きたくないから……
それなのに、夏樹は私を病院に連れていこうとしている
「ひ~な~。もう、タクシーも呼んであるから諦めて病院行こう?」
「や~だ~」
「熱があがってきて、しんどいだろ?」
「しんどくないもん……」
「本当は、しんどくて動けなくなったりして……」
「!?」
本当はしんどい……
抵抗していくうちにダンダンしんどくなってきて
今じゃ、動けない……
「夏樹、タクシー着いたわよ」
「ありがとう姉貴。ほら、ひな行くぞ!」
「やだ……」
「しょうがねぇな……」
布団を剥ぎ取り、私の身体を軽々しく持ち上げた
何も抵抗出来ず、夏樹にお姫様抱っこされている
「何がしんどくないだ……もうぐったりじゃん」
「そんな事ないもん……」
「病院が嫌いだからか?」
夏樹に抱えられながら、廊下を歩いている
「違うもん……」
「じゃ、病院が怖いのか?」
「違うもん……」
「うーん。検査が嫌い?」
「ち、違う……」
どれも間違いではないけど……
「じゃ、なんで病院行きたくないんだ?」
「にがて……なんだもん」
「え?」
「病院が苦手なんだもん……」
「苦手って、嫌いとそう変わらないじゃんw」
「全然違うもん……」
そう、私は…………
【病院は苦手なんです!】
~ 終 ~
☆ あとがき ☆
皆さん、最後まで読んで頂きありがとうございました!
作者のれいほです
書き始めて、約4年になるのかな?
学校や仕事で更新するのにけっこう時間がかかりましたが
何とか、完結ができました
完結出来たのも、皆さんの感想や読んで下さる読者様のおかげですm(_ _)m
本当にありがとうございました!
これからも、応援の方どうぞよろしくお願いします
あっ、感想の方もお待ちしております^^*
NEXT→予告
☆予告 ☆
予告は、2つ!!
・
・
・
まず、1つ目は、
【病院は苦手なんです!】の番外編を書きます
高校・大学を卒業した ひなと夏樹の2人の同居生活
さらに、結婚した二人の元に新たなる生命が……?
そしてもう1つ、本編では書かれていなかったもう1組の恋♪
誰と誰が繋がっているのか……
・
・
・
2つ目は、本編で少し登場した鬼山兄妹の恋の物語をお届けします♪♪
長女の杏果が好きなのは……ひなの弟・雫
でも、雫は学校の人気者。
学年関係なしに常、生徒達に囲まれる雫を見て嫉妬してしまう杏果……。
そんな杏果の1番の理解者である、幼馴染みの剛(たける)。
家が隣りで、小さい頃からずっと育ってきた二人。
いつしか、剛は気づいてしまった。
杏果の事が好きだと……。
☆
いったいこの後のストーリーはどうなるのか。
2人の恋、可愛い兄妹のほのぼのとしたお話にも注目です!!
※題名は「☆ 恋する果実~ sweet Love ~ ☆」
では、またどこかで会いましょう^^*