それから三ヵ月後。
燦々とした真夏の太陽が地上に降り注ぐ中――。
フレイア王国王太子の結婚式は、近隣各国からたくさんの要人を招き、盛大に執り行われた。
妃は前代未聞の『王国騎士団所属の騎士見習い』と大変な話題になった為、当日は国内外から多数の見物客が訪れ、城下町は大いに賑わった。
国を挙げた祝賀ムードで盛り上がる中、結婚式は真南に陽が昇る前に、城内の教会で行われた。
式には妃であるアデルの親族・侯爵家一族と、国王家の人間のみが立ち会った。
司祭の前でセドリックは、側室を娶らず、生涯正妃のアデル一人を愛し貫くことを誓った。
そしてアデルは、『王太子騎士』としてセドリックから叙勲を受けた。
花嫁衣裳を身に着けたアデルは、仲間の騎士たちの手で肩に緋色のローブをかけられ、セドリックの前に膝をついた。
セドリックは、手にした剣で彼女の肩を三度叩く。
「アデル・ブリジット・アシュレー。そなたを王太子騎士として叙勲します」
セドリックの凛とした厳かな声が、教会の空気を震わせる。
「私は、セドリック・ローランド・フォン・フレイア王太子殿下の妃として、また彼を守る騎士として、生涯の愛を、忠誠を誓います」
叙勲を受けたアデルは、胸の前で十字を切り、自身の生涯を彼に捧げた。
結婚式の誓いに合わせて行われた、荘厳な愛の『叙勲式』は、短い儀式ではあれど、人々の目にはとても神聖なものに映った。
参列者たちが固唾をのんで見守る中、アデルはしっかりと立ち上がった。
腰の鞘に剣を収めたセドリックが彼女の手を取り、愛おしげに目を細める。
燦々とした真夏の太陽が地上に降り注ぐ中――。
フレイア王国王太子の結婚式は、近隣各国からたくさんの要人を招き、盛大に執り行われた。
妃は前代未聞の『王国騎士団所属の騎士見習い』と大変な話題になった為、当日は国内外から多数の見物客が訪れ、城下町は大いに賑わった。
国を挙げた祝賀ムードで盛り上がる中、結婚式は真南に陽が昇る前に、城内の教会で行われた。
式には妃であるアデルの親族・侯爵家一族と、国王家の人間のみが立ち会った。
司祭の前でセドリックは、側室を娶らず、生涯正妃のアデル一人を愛し貫くことを誓った。
そしてアデルは、『王太子騎士』としてセドリックから叙勲を受けた。
花嫁衣裳を身に着けたアデルは、仲間の騎士たちの手で肩に緋色のローブをかけられ、セドリックの前に膝をついた。
セドリックは、手にした剣で彼女の肩を三度叩く。
「アデル・ブリジット・アシュレー。そなたを王太子騎士として叙勲します」
セドリックの凛とした厳かな声が、教会の空気を震わせる。
「私は、セドリック・ローランド・フォン・フレイア王太子殿下の妃として、また彼を守る騎士として、生涯の愛を、忠誠を誓います」
叙勲を受けたアデルは、胸の前で十字を切り、自身の生涯を彼に捧げた。
結婚式の誓いに合わせて行われた、荘厳な愛の『叙勲式』は、短い儀式ではあれど、人々の目にはとても神聖なものに映った。
参列者たちが固唾をのんで見守る中、アデルはしっかりと立ち上がった。
腰の鞘に剣を収めたセドリックが彼女の手を取り、愛おしげに目を細める。