お互いの身体にそっと腕を回し、引かれ合うように唇を触れ合わせた。
セドリックはアデルの唇を甘く優しく啄み、アデルも彼の口付けに応える。
二人はしっかり抱き合いながら、徐々に口付けを深く熱いものに変えていく。


唇を離すのが惜しくなるほど強く求め合い、長い口付けを終えた時、二人の呼吸は同じように乱れていた。
至近距離から吐息を溶け込ませながら、セドリックはアデルのエメラルドを、アデルはセドリックのサファイアを、愛おしく見つめる。


セドリックはアデルの頭を撫で、そのまま髪に滑らせた。
そして。


「……アデル、ごめんね。どんな姿でも、とは言ったけど、僕はやっぱり、君の長い髪がとても好きだ」


素直にそう言って苦笑するセドリックに、アデルも軽く吹き出して笑う。
短い毛先を自分でも気にして指で摘み、つんつんと引っ張った。


「正直だから、許す」


どこか強気に胸を張って返事をするアデルに、セドリックは優しく微笑みかける。
再び彼女を自分の方に引き寄せると、その髪に、額に、静かに口付けを落とした。


目蓋に唇を落とされたアデルが、わずかにくすぐったそうに身じろぎする。
二人は上目遣いで見つめ合い、明るい笑顔を交わした。


その夜……。
フレイア城では、夜が更けるまで賑やかなパーティーが続き、人々は幸せに包まれたのだった。