「アデル。アシュレー侯爵令嬢。僕はあなたに結婚を申し込みます。どうか僕の妃に……フレイア王国の王太子妃として、迎えさせてください」
ゆっくりと言い聞かせるように言って、セドリックはアデルの前に片膝をついた。
目を伏せて彼女の手を取り、その手の甲に柔らかい口付けを落とす。
大きく目を見開くアデルを仰ぎ見て、セドリックは蒼い瞳に明るく優しい光を湛えて微笑んだ。
「アデル、僕は君を愛してる。幼い頃から、君は僕の宝物だったんだよ。……ずっとね」
セドリックの真摯な求婚に、アデルの胸が大きく揺さぶられた。
きちんと返事をしたいのに、唇が震え、声が喉に引っかかり、彼女は上手く返事ができない。
ただ、その美しい緑色の瞳から、純粋な透明の涙を溢れさせた。
「……返事が欲しいな、アデル」
セドリックはどこか焦れたように呟き、その場にゆっくりと立ち上がった。
俯いたアデルの目尻の涙を、指先でそっと掬い取る。
アデルは肩を震わせながら、ギクシャクとたどたどしい仕草でコクンと頷いた。
それをしっかり見止めながらも、言葉で返事を促すように、セドリックはアデルの瞳に「ん?」と訊ねかける。
「……はい……」
ゆっくりと言い聞かせるように言って、セドリックはアデルの前に片膝をついた。
目を伏せて彼女の手を取り、その手の甲に柔らかい口付けを落とす。
大きく目を見開くアデルを仰ぎ見て、セドリックは蒼い瞳に明るく優しい光を湛えて微笑んだ。
「アデル、僕は君を愛してる。幼い頃から、君は僕の宝物だったんだよ。……ずっとね」
セドリックの真摯な求婚に、アデルの胸が大きく揺さぶられた。
きちんと返事をしたいのに、唇が震え、声が喉に引っかかり、彼女は上手く返事ができない。
ただ、その美しい緑色の瞳から、純粋な透明の涙を溢れさせた。
「……返事が欲しいな、アデル」
セドリックはどこか焦れたように呟き、その場にゆっくりと立ち上がった。
俯いたアデルの目尻の涙を、指先でそっと掬い取る。
アデルは肩を震わせながら、ギクシャクとたどたどしい仕草でコクンと頷いた。
それをしっかり見止めながらも、言葉で返事を促すように、セドリックはアデルの瞳に「ん?」と訊ねかける。
「……はい……」