セドリックがどこか悪戯っぽくふふっと笑う。
「え? セディ……?」
説明を聞いても、その意味をよく理解できずにいるアデルに、ライアンが腕組みしながら補足する。
「アデル。セディはとっくに気付いてるんだよ。『仮面の姫君』がアデルだって」
「っ……ええっ!?」
ライアンが溜め息交じりに告げた言葉に、アデルは大きく目を剥いた。
セドリックは彼女の手を取ったまま、目線を流してライアンの言葉の先を止める。
「ライアン。その先は、僕が」
それを聞いて、ライアンは小さく肩を竦めた。
セドリックに恭しく頭を下げると、広間の中央に二人を残し、その場から立ち去っていく。
「セディ? どういうことなの?」
大きなエメラルド色の瞳を困惑で揺らしながら、アデルはセドリックに説明を求めた。
彼は黙って一度頷いてみせてから、懐から可愛らしいモザイクが施されたガラスの小瓶を取り出す。
それを、アデルの手の平に乗せた。
「え? ……何?」
「精油。君の為に調合させた」
セドリックの返事を聞きながら、アデルは小瓶の蓋をそっと開いた。
瓶口に鼻を近付けると、芳しく柔らかいバラの香りが漂う。
「え? セディ……?」
説明を聞いても、その意味をよく理解できずにいるアデルに、ライアンが腕組みしながら補足する。
「アデル。セディはとっくに気付いてるんだよ。『仮面の姫君』がアデルだって」
「っ……ええっ!?」
ライアンが溜め息交じりに告げた言葉に、アデルは大きく目を剥いた。
セドリックは彼女の手を取ったまま、目線を流してライアンの言葉の先を止める。
「ライアン。その先は、僕が」
それを聞いて、ライアンは小さく肩を竦めた。
セドリックに恭しく頭を下げると、広間の中央に二人を残し、その場から立ち去っていく。
「セディ? どういうことなの?」
大きなエメラルド色の瞳を困惑で揺らしながら、アデルはセドリックに説明を求めた。
彼は黙って一度頷いてみせてから、懐から可愛らしいモザイクが施されたガラスの小瓶を取り出す。
それを、アデルの手の平に乗せた。
「え? ……何?」
「精油。君の為に調合させた」
セドリックの返事を聞きながら、アデルは小瓶の蓋をそっと開いた。
瓶口に鼻を近付けると、芳しく柔らかいバラの香りが漂う。