「別に僕は、アデルが女らしいことを何一つできなくたっていい。僕より剣の腕前に定評がある女騎士でもいい。だけど、やっぱりアデルは女だから。アデルを僕のそばに置くのなら……それは騎士としてじゃなくて……」
言葉を続けながら、セドリックは顔を俯けた。
最後はボソボソと聞き取り辛い声量になり、ライアンもゆっくり口を開いた。
「……セディ?」
「とにかく」
自分への呼びかけを阻むように、セドリックは一際明るい声をあげた。
再び口を閉ざすライアンに、ふふっと小気味よい笑い声を漏らしてみせる。
「たとえ国王になった後でも、僕はアデルに『女らしく生きろ』なんて命令できない。でも最近のアデル、僕の前ではちょっと変わってきたなって思うところもあって……だからアデルの意志に委ねた。……それだけだよ」
「セディ」
「それに。騎士団にいる以上、有事の際には相手の騎士を切ることになる。動物の狩りに怯んでるんじゃ、務まらない。アデルは騎士になりたいから、狩りに行くと承諾した。それを僕に止める術はないだろう?」
セドリックは最後まで早口で言い切ると、勢いよく顔を上げた。
天使と神をモチーフにしたフレスコ画が描かれた、淡い水色の色合いの天井を大きく振り仰ぐ。
「……騎士として僕に仕えるというのがアデルの希望なら、僕はそれを拒めないじゃないか」
言葉を続けながら、セドリックは顔を俯けた。
最後はボソボソと聞き取り辛い声量になり、ライアンもゆっくり口を開いた。
「……セディ?」
「とにかく」
自分への呼びかけを阻むように、セドリックは一際明るい声をあげた。
再び口を閉ざすライアンに、ふふっと小気味よい笑い声を漏らしてみせる。
「たとえ国王になった後でも、僕はアデルに『女らしく生きろ』なんて命令できない。でも最近のアデル、僕の前ではちょっと変わってきたなって思うところもあって……だからアデルの意志に委ねた。……それだけだよ」
「セディ」
「それに。騎士団にいる以上、有事の際には相手の騎士を切ることになる。動物の狩りに怯んでるんじゃ、務まらない。アデルは騎士になりたいから、狩りに行くと承諾した。それを僕に止める術はないだろう?」
セドリックは最後まで早口で言い切ると、勢いよく顔を上げた。
天使と神をモチーフにしたフレスコ画が描かれた、淡い水色の色合いの天井を大きく振り仰ぐ。
「……騎士として僕に仕えるというのがアデルの希望なら、僕はそれを拒めないじゃないか」