「それは俺が話そう」

 後ろからシンマが話しかける。

「うわっ!シンマいきなり後ろから声出さないでよ、びっくりしたじゃない!」
「最初からいたぞ、俺は」
「なんでシンマさんは何十年もその若さでいられるんですか?」
「それはだな、俺らが七つの大罪のメモリを引き継いでいるからだ。ただし、色欲のメモリを除いでな」
「その…さっきからメモリって…それって何なんですか?」
「メモリ=能力と思ってくれればいい。その呪いのようなもので、『傲慢』、『憤怒』、『嫉妬』、『怠惰』、『強欲』、『暴食』は普通の人より年を取るのも遅い。当然、能力も強力だ」
「お母さんの…私のメモリ…『色欲』は強くはないんですか?」

 弱いんだったら真っ先に狙われたのは何となく把握できる。
 悲しいことだけど。

「いや、そうでもないよ」

 孔雀も後ろからにゅっと出てくる。

「うわっ!」
「悪いね、ウルン、カプラ」
「あんたたち、もうちょっと自然に登場することできないわけ?孔雀の場合、ほんっと気配感じにくいんだから!」
「こっちも最初っからいたんだけどな…」