「……終わったぞー。楓南、そろそろ帰るか? 送ってくよ」
「あ、うん」
今の、聞かれてなかったかな……?
陽希の顔を見てみるけど、よくわからなかった。
帰り支度をして、あたしは玄関に向かった。
「楓南ちゃん、またいらっしゃいね?」
「今度はもっと話そうな〜」
「はい、お邪魔しました」
にこりと笑うご両親に会釈をし、陽希と共に家を出た。
外はすっかり暗くなっていた。
「なんか悪かったな、俺の親、うるせーだろ?」
「ううん、すごく楽しかった」
「そ? ならよかった!」
すごく素敵な家庭だった。
明るくて温かくて、陽希の親があの2人っていうのが、納得がいく。
あの2人がいてこその、陽希なんだね。