「……陽希は、無理してたわけじゃないと思います」
「え?」
「確かに頑張りすぎかなって思うときもあるけど……でも陽希は、周りが笑ってくれいることを何よりも望んでいる、そんな気がします」
陽希にとっての幸せは、周りの人の幸せ。
周りの人が笑っていることが、陽希は嬉しいはず。
自分よりも人のことを優先しちゃう、お人好しなんだよ。
だから。
「お2人が幸せになることが、陽希は嬉しいんじゃないでしょうか……?」
負の気持ちは持ってはいけない気がするの。
陽希の行為を受け入れ、笑顔で抱き締めるような。
そんな風にすれば、きっと陽希は嬉しいよね?
「そうね……そうよね。……ありがとう」
「いえ、そんな」
お礼を言う2人に、あたしは首を振る。
そのとき、お風呂掃除をしていた陽希が戻ってきた。