「それ、であいちゅーってやつじゃないんすか?」
バイト先にいる少しだけ話せる男の人
萩久保 太一
年は、聞いてないけど同じくらいの20代前半だろう。
「出会い厨って…よくそんな言葉知ってるね」
「まぁ、SNSやってるし。出会い目的で女の子に酷いことしてきたやつとか、された女の子とか見てきたしさ」
「んでも、その男の子そんな人じゃないよ」
そう言うと、先程まで仕事ながらに聞いていたのに手を止めて太一は、私をじっと見てきた。
「朝比奈さん、ネットの怖さを知らないんだよ。俺はそいつに深入りしないほうがいいと思う」
「っ…」
真面目に言われた。
だけど、チャットルームで今まで紅蓮とは仲良くしてきたし。
培ってきたものが違うもの
変な噂も聞かないし。
「萩久保くんの考えすぎだよ」
そうだよ、考えすぎ。
帰ったらメールに返信しよう。
「どうなっても知らないっすよ」
太一がボソッと言った。