一通り家を見渡すと、遂にすることがなくなってしまった

朝飯も家で済ませたし、ここで出来るのは今まで通りの生活を送ることだけだ

「ふぅ…」

畳が7畳ある和室のようなところに寝転ぶ

俺と同じくらい大きな窓を全開にして

朝10時なので太陽の光がさんさんと部屋の中に入ってくる
日当たりがいい
暖かい
風も入ってくる
心地良い

田舎にある母の実家へ泊まりに行った感覚がする
山の中なのでここよりも涼しく、空気もおいしかった

しかしこの家には俺しかいないのだ
本当に一人暮らしをしているような感じだ

一人暮らしをしたら、こんな感じなのかな…

誰にも阻まれることなく、自分の考え、行動だけで世界が動くような…

「…一人…暮らしか…」

おじさんの言っていたことがふと頭を過ぎる

『幽霊が出るらしい…』

「…幽霊か…」

おじさんの言っていたことが真実なら、幽霊はいるはずなのだ

しかし幽霊どころか人一人も見かけていない

本当はいないのでは

そんな考えの方が強くなっていた

それはそれでよかった

どんな手を尽くしてでも得体の知れないモノなど拝みたくもない

「…ファアア……」

欠伸がでる

そういえば二度寝をしようとしたとたんにたたき起こされたんだっけ

どうりで頭が重いわけだ

「…昼寝でもするか…」

そう思うとすぐにうとうとし始めた

かなり疲れていたのだろう

ゆっくり休めよ…自分

俺の意識はゆっくり消えて、眠りについた
















(あ…いたいた…あれ?寝てる…?)