慌てて一階の(俺の部屋は二階なのだ)リビングへ降りた俺は絶句した

部屋の片隅には旅行に使うでかいバックに小さなバックが一つずつ置かれていた

中身を確認するとでかい方には俺の私服が丁寧に入っている、しかもパンツまで

小さい方にはタオル、シャンプーリンスに歯ブラシ歯磨き粉、そして何故か愛用している携帯ゲーム機までもが…

「…どゆこと?」

驚きを通り越して不安を感じている俺に母は

「だから一人暮らしを」
「いつそんな話になった!?」

不安が怒りに変わった俺を母は困った顔で見ている

いやいや困ってるのは俺だぞ俺!

そんな俺をほっといて母は話しを続けた

「あんた夏休み前に言ってたでしょ?おじさんの買った家に夏休みの間だけ一人暮らしするって」

……おじさん?……夏休みの間……?一人暮らし…?

そのキーワードが俺の頭の上を回り、そして脳の中に染み込むように入った

そして

「………あああああああ!!」

古い記憶が蘇った、数週間も前のことが鮮明に…