心の中で、盛大に溜息をついた。
黒板に連絡事項を書きつつ、誰にも見られないように、くしゃりと前髪に触れた。




ザワザワする胸ん中。


いっそ俺だけで満杯にして。
この腕の中に縛り付けられたらいいのに。


そう思ってから、いやいやと首を小さく振る。


何を弱気になってんだ?
ライバルがいるなら、それこそ上等じゃねぇの。



最終的に、神谷の気持ちが優先だ。
けど、それまでの間は、容赦なく攻めていく。


それが、俺のやり方。
今更変えられる訳がねぇ。


神谷の事なら、須賀よりも俺の方が知っている。
置かれた環境も、そのメンタルも…。