『やけに色っぽい女子もいたもんだな』


最初は、そんなもんだった。
ガキなんざ、ギャーピーうるせぇだけで面倒くせぇな、なんて思いながらも教師になったのは、俺の恩師がこの学園の理事長になったからだ。
なんでも…こんな俺でも役に立てれば、その一心だった。

だから、生徒なんか二の次三の次で、仕事に集中しようとしてんのに。


「小桜ー!現国のノート写させてー!」

「えー?しょうがないなぁ。もう…ほら、高いよー?」

「とか言って、小桜はいっつも奢るよって言ってもいいって言うくせに~」

「ははっ。だって、冗談だもん」