友達に戻ろう、と画面越しに私は言った。

正確にはそうスマホに打ち込んだだけだった。

その返信が来たのは二時間後で、彼女にメール一本送ることができないほど忙しい筈の彼は、一言だけ言葉を返してきた。

少し電話できないか、と彼は言う。

泣きすぎてガラガラの声で彼と喋りたくなかった。

彼の記憶の中だけでも、優しい声でいたかった。

私の気持ちを察したかのように、ごめんなと彼は言う。

今、どんな顔をしているのだろう。

失くしたおもちゃを探すように、次々と彼はメッセージを送ってくる。