“何で俺？”って、そう言われましても。



それは今あたしが――



「…里中の彼女になったから、って言ったら
里中は困る？」



そこで里中は、はっとして申し訳無さそうな顔になった。




「…そっか、そうだったよな。

ごめん、忘れてた訳じゃないんだけど」



「あはは、良いよー」



嘘吐き。


あたしの事“彼女にした”って実感無いくせに。




言葉足らずだけど、表情に全部出てしまう里中の事をこの時ばかりは少し呪った。



まあ良いけどね。


根気強い羽華ちゃんはこんな事位じゃ
まだまだ里中の事諦めないんだから！




いつか絶対里中の心の中の星花さんを追い出して、あたしでいっぱいにしてやるの！



それまで“彼女”と言う名の特権をフルに活用させて貰うんだからっ！