「里中ー!」



机の前にちょこんと座り込むと本を覗き込む様にして声を掛ける。



「何、橋本」


里中は本を読みながら視線をちらりとあたしに向けた。



「あのさ、一緒にお昼食べて良い?」


「…“お昼”は食べられないよ」



...‼︎



「そうじゃなくてっ!お昼御飯だよーっ!」



まさか里中にそんなツッ込みをされるとは思わなくて。


あわあわと慌ててしまう。


「冗談だよ」



里中は真顔でそう言った。



「ちゃんと意味分かってるし」



「…ですよね」


ほっ、として胸を撫で下ろす。



「別に良いけど、急にどうした?

橋本っていつも川崎と御飯食べてるよな?」



「うんっ!」


川崎とは縡ちゃんの苗字だ。