顔を見合わせてにやっ、と笑った後
机に置いていたスクール鞄を肩に掛けて二人で教室を後にした。



二人、並んで廊下を歩きながら下駄箱へと向かう。



暫くすると縡ちゃんとの会話は昨夜テレビでやってたバラエティー番組の雑談へと変わった。


それを一方的に熱く語り始める縡ちゃんに
笑顔で相槌を打ちながらも

考えるのはずっと里中の事。



“羽華自身を見て貰える様に努力しろって事”


縡ちゃんに言われた事が頭の中でループする。


あたし自身、ってどんな事をすれば良いんだろう。



やっぱりストレートに気持ちを伝えろ、って事なのかなぁ。


でも真剣に気持ちを伝えて里中に迷惑がられても嫌だし。



でも、かと言ってこのままじゃ――



「――ずっと片想い、かぁ」




二年ぶりに口にした自分の恋心は



少しだけ前より辛くなっていた――。