「…橋本の趣味が盗み聞きだったなんて知らなかったな」



……‼︎



突然降って来た声に驚いて顔を上げると。



「ひ、ひいっ…!」



其処には階段の上からあたしの事を見下ろしている里中がいた。



「…なんて声出してんの」



「いやあ、あ、はは」


里中の呆れた声にも、まともに返事が出来無い。



聞、聞いてた事バレてる⁉︎

ど、どうしようっ!



「…あのさ、」



「あー、里中!

そう言えば掃除場所近かったよね!

これからも宜しくっ!」



言わずとも分かる。



今、里中があたしに言い掛けた言葉の先にある内容は絶対さっきの別れ話についてだ。




これは何としてでも話題を変えなければ…!