「お望み通り、来てやったわよ」

「…ありがとう」

屋上で、不敵な笑みをする女子と目線がかち合う。

「単刀直入に言う。もう、私に関わらないで」
「…は?」
賭けだった。

女子の目がつり上がり、信じられないものを見たような表情になった。

「くだらないことはしないで。どうして私に関わるのかな」

「目障りだからに決まってんだろ。なんだよ、不登校って。あたし達に問題があるかもしれないとか言われて、散々担任にどやされたんだよ」

舌打ちしたのを皮切りに、一気に語調が荒くなる。

憎しみの目を向けられて、蝶はなお淡々と告げた。

「殴りたいなら殴ってよ。私は別に怖くない」