それから私は警察署に行き資料をもらえるよう交渉した。
ダメだった。当たり前か。

私が諦めて帰ろうとしたら呼び止められた。

〈この資料が欲しいのかね?〉

だいぶ歳をとった男の人が茶封筒を差し出している。

『いいんですか?バレたらヤバくないですか?クビになりますよ?』

私が言うとその人はビックリする事を言った。

〈署長の権限で許可する。〉

さすがに目を見開いた。
署長さんが直接くるとは。

『ありがとうございます。』

署長さんは申し訳なさそうに言った。

〈10年も経ったから誰も手をつけないんだ。
危険な真似はしないで、何かあったら警察を呼んでくれ。〉

署長さんはそう言って去って行った。

『ありがとうございます!!』

私は大声でお礼を言った。

署長さんは片手をヒラヒラさせた。