『おはよ〜リッくん』

私は家を出ると向かいの家から出てきた幼なじみのリッくん事、黒鉄陸に挨拶した。

【おはよう。弥生】

リッくんはニコッと優しく笑った。

『今日から新学期かぁ。もー飽きた‼️』

【みんな思ってるよ。弥生だけじゃ無い。』

『だって、幼稚園部から大学部まであんだよ⁉︎飽きるわ。』

【はは。仕方ない。そういう方針だから。】

『リッくんが言うと嫌な感じないなぁ』

【そりゃあそうだろ。俺らは付き合ってんだ。それでムカつかれたらヘコむ。】

『……。』

私は顔が真っ赤になるのを自覚した。

もしかしたら耳も赤いかも。

『そ、そうだね。あ!今日から新学期だからまた告られるね。』

私は顔を見られたくなくて話題を変えた。

【ヤキモチ?】

『は⁉︎ち、ち、違うし!なんでヤキモチなんか…。』

後半になるにつれ声が小さくなった。
バレたな…。

【安心しろよ。俺、モテねぇし。】

『そんだけカッコイイのに何言ってんの?
バカ‼︎』

すると隣から笑い声が聞こえた。

『な、何?』

【弥生、可愛いすぎ。もっとからかいてぇ】

いたずらっ子の顔でリッくんは言った。

『からかわないで‼︎』

実を言うと嬉しかった。好きな人に可愛い
って言ってもらって。

私はリッくんの手を握った。

【今日はやけに素直だな。】

リッくん、嬉しそう。

『たまには、良いでしょ?』

そのまま私達は学校に向かった。