「お邪魔します……」


入る前から大きな家なのはわかっていた。

それでも玄関の広さと天井の高さにビビる。


ていうか、うちの買い物をさりげなく自転車の荷台からおろして持ってくれている青山くんは紳士ですか。


「ねぇ、自分で持つ……」


と、そのとき。

二階から降りてきたのは、ひとりの女の子だった。


胸元まで伸びた栗色の髪は、ふわふわで。

頭に赤いリボンがついていて。

真っ白なワンピースを着ていて。


細長い、手足。


童話の世界から飛び出してきたかのような

お人形さんみたいに、すごく可愛い女の子。