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翌日、家から少し離れたところのスーパーで買い出しをしていると意外な人物に会った。
学年一の、モテ男。
わたしの“仮の”彼氏。
――青山くんだ。
世間が狭いとは、まさにこのこと。
こんなところで会っちゃうなんて。
今日はお休みだから恋人のフリをしてもらうこともない。
背を向け、気づかれないようそっとその場を離れようとした、そのとき。
「素子じゃん」
「……!!」
青山くんに、腕をつかまれた。
「逃げんなよ」
「ごめ……」
「昨日。なんで帰ったの」
「へ?」
「放課後迎えにいくって言ったのに」
「……あ」
そういえばそんなことを言われていたと思い出す。
あれって本気だったの?
「ちょっとピンチで……」
「ピンチ?」
「や……てか、待って。油!」
「は?」
「これからタイムセールで油が安いから! 買ってくる!!」