―ボコッ
鈍い音がしてサトシは
その場に倒れた。
今まで見た事の無いような達耶は
次々に先輩達を殴っていく。
強い‥。
でも怖かった‥。
「達耶ッ!もぅいいよッ‥
もう辞めてッ!!‥」
それでも殴ることを辞めない達耶に必死に止めた。
「達耶‥。やめてよ‥、もう大丈夫だから‥うぅ‥こんなの達耶ぢゃない‥達耶ぢゃないよ‥。」
私が泣いてるのに
気付いた達耶は、
申し訳なさそうに、
心配そうに、
辛そうに、
私の顔を覗いた。
「ごめん‥。大丈夫か?」
今まで聞いてきたなかで一番優しい達耶の声。
「‥うぅ‥怖かった‥ック。」
涙が止まらなくてそれだけしか答えられない私を‥、
達耶は優しく、強く抱き締めた‥。
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