「こーとーちゃーんんんー!」
朝、登校するなり華恋は琴美に泣きついた。
「うわっ、何!?」
「この間、先輩と一緒に帰れたの!」
「良かったじゃないの!なんで泣いてるのよ?」
「それに喜んでいたら、誕生日のことすっかり忘れてて……!」
「あー……」
彗と帰った日から、既に3日がたっていた。
今日は5月15日。
彗の誕生日はもう、3日後。
「何渡したらいいかまだ分からないの!」
「もう……」
華恋は時々天然だ。彗と帰れただけで、3日もあれほど頭を悩ませていた誕生日を忘れるなんて。
しっかり者の琴美と華恋の関係は、第3者から見たらまるで子供とお母さん。
その時。
ガラリと教室の扉が開いた。
目を向けると、立っていたのは、琴美の想い人である江留。
クラスは違えど、何度も琴美に教科書を借りに来る。
「琴美ー、教科書忘れた。」
「はぁ!?」
今回も教科書を借りにきたらしい。
「借して。」
「借して、じゃないわよ!あんた昨日も一昨日も忘れたじゃない!」
そういいながらも、江留に教科書を渡す辺り、琴美はやっぱりお母さん気質だ。
「お前ぐらいしか借りれる相手いねーの。」
「わっ忘れなければいいだけの話でしょっ」
"「お前くらいしか借りれる相手がいない」"。サラッと言われた言葉に頬を赤くしたのを、華恋は見逃さず、くすっと笑って二人にしておこうとそっと琴美と江留のそばを離れた。
(私は、プレゼントを考えなくちゃ……)
(キーホルダー?甘い物とか……?でも先輩甘い物、好きかなあ……)
つい五分前に始まった授業などそっちのけ。
「池高ー、ここ答えてみろ。」
(アクセサリーなんてなんだか重い?)
「聞いてんのか、池高」
(じゃあ、一体何が……)
「池高!」
「ひゃい!?」
教師に当てられていたことにやっと気がつく。
「お前最近ずっとぼーっとして!何だ、悩みでもあるのか!?」
「いっいえ、なんでも……」
「なら集中しろ!」
結局怒られてしまった。
朝、登校するなり華恋は琴美に泣きついた。
「うわっ、何!?」
「この間、先輩と一緒に帰れたの!」
「良かったじゃないの!なんで泣いてるのよ?」
「それに喜んでいたら、誕生日のことすっかり忘れてて……!」
「あー……」
彗と帰った日から、既に3日がたっていた。
今日は5月15日。
彗の誕生日はもう、3日後。
「何渡したらいいかまだ分からないの!」
「もう……」
華恋は時々天然だ。彗と帰れただけで、3日もあれほど頭を悩ませていた誕生日を忘れるなんて。
しっかり者の琴美と華恋の関係は、第3者から見たらまるで子供とお母さん。
その時。
ガラリと教室の扉が開いた。
目を向けると、立っていたのは、琴美の想い人である江留。
クラスは違えど、何度も琴美に教科書を借りに来る。
「琴美ー、教科書忘れた。」
「はぁ!?」
今回も教科書を借りにきたらしい。
「借して。」
「借して、じゃないわよ!あんた昨日も一昨日も忘れたじゃない!」
そういいながらも、江留に教科書を渡す辺り、琴美はやっぱりお母さん気質だ。
「お前ぐらいしか借りれる相手いねーの。」
「わっ忘れなければいいだけの話でしょっ」
"「お前くらいしか借りれる相手がいない」"。サラッと言われた言葉に頬を赤くしたのを、華恋は見逃さず、くすっと笑って二人にしておこうとそっと琴美と江留のそばを離れた。
(私は、プレゼントを考えなくちゃ……)
(キーホルダー?甘い物とか……?でも先輩甘い物、好きかなあ……)
つい五分前に始まった授業などそっちのけ。
「池高ー、ここ答えてみろ。」
(アクセサリーなんてなんだか重い?)
「聞いてんのか、池高」
(じゃあ、一体何が……)
「池高!」
「ひゃい!?」
教師に当てられていたことにやっと気がつく。
「お前最近ずっとぼーっとして!何だ、悩みでもあるのか!?」
「いっいえ、なんでも……」
「なら集中しろ!」
結局怒られてしまった。