図書室から出るとみゆは廊下を走った。



ただ、前だけを見て。



「──なんで、涙出るんだよぉ…分かってたでしょ…愁が、明美ちゃんのこと好きだって…!!」



悲痛な叫び声を拾ってくれる者は誰もいない。


今だけでいい、思いっきり泣かせて…



明日からは、元気な私でいるから。お願い。