大人は言う。
学生時代が一番楽しいって。
戻れるものなら戻りたいって。
けど、あたしは思う。
学校なんて何ひとつ楽しいことなんてないって。
早く大人になりたいって。
わたしがなりたいと思う人たちはわたしに戻りたがってる。
その矛盾に気づいた時、世界が絶望に染まった気がした。
過去に戻りたい人と未来に進みたい人で溢れ返ってるこの世で、今を楽しんでる人なんて一体どれくらいいるんだろう。
なんの前触れもなく、確固たる決意もなく、大層な覚悟だってない。
それでもわたしはあと58分で自分の人生にピリオドを打つ。
迷いも恐怖も不安もない。
あるのはやっと終わらせられるっていう安堵だけだ。
くだらないと思うなら思えばいい。
そんなことでって笑われたって構わない。
死にたいほど嫌なことがあるわけじゃないんだ。
ただ、生きたいと思えるほどの何かが何もないだけ。