『君、話に聞いてた通り本当に可愛いね』

40〜40半ばくらいの歳だろうか。
鼻息を荒くして私の顔を覗き込む。

『本当に君みたいな子が売りやってるの?』

ニタァっと不気味に笑い髪に触れる。

どれだけ回数を重ねても、こういう事は慣れない。

気持ち悪いとしか思えない。

『ねぇ、買うの? 買わないの?』

指を5本立て、男の前に突き出す。

『5万? さすがに高いよ』

『じゃあ、他をあたってよ』

そう言って背中を向ける。
するとおきまりのパターンでやってくる。

『ま、待って、わかった! 君みたいに可愛い子いないし、いくらでも出すよ!』

そして作る。
とびきりの笑顔を……