『藤森有希くん。気が付いて良かった。覚えているか?バイクで君は事故に遭ったんだ。自損事故だがね』
え…?あぁ、あれは現実ってわけかよ。俺は事故って怪我して、病院に運ばれてきたってわけな。
声を出そうと思ったが、出ない。何だかひどく喉が乾いている気がする。
『無理に話したり動いたりしない方がいい。君は丸一週間眠っていたのだから。』
…一週間?
『すぐにご家族を呼ぶ。それから警察の方々も話を聞きたいみたいだよ』
サツ?やべぇ…。警察という言葉を聞くと、なぜだか焦ってしまう。情けないが。今回も俺が悪いんだろな。
その一瞬後に考える。
……家族…。
家族って、誰が来るんだよ…。