- 真緒side -


七海と付き合い始めて1ヶ月が過ぎた。


「おはよう、七海」

「っ………」


付き合う前と何も変わらず、七海は挨拶を返さない。

だが、とても大きく頷く。

そんなに大きく頷かなくてもいいのに。

七海なりに精一杯、俺に挨拶を返すそんな姿が可愛く思う。

どうやら自分でも引くほど、俺は七海を溺愛してしまっているようだ。

そんな俺をじっと見てくる左隣の幼なじみ。


「なんだよ」

「ねぇ、付き合ってるのよね?1ヶ月くらい経ったわよね?」

「まぁ…そうだな」

「それなのにまだ苗字で呼んでるの?」


特に考えたこともなかったが…

下の名前で呼んだ方がいいのだろうか。