授業が終わると、七海は席を立ち、輝の前へ。 すっと手を出し、シャーペンを渡していた。 「ありがとうございました」 「えぇ。どういたしまして」 無表情のまま、お礼を言う。 七海…。もっとこう…笑った方がいいと思う。 そうじゃないと輝も気づかないぞ。 「あ。次の時間はいいの?今日一日中貸しっ」 「購買で買ってきます」 「そ、そう…」 そして、すたすたと教室を出て行った。 どうせなら、今日一日中借りていれば良かったのに。