琉風さんの問いに笑顔を浮かべて答える





「だって、いらないような、どうでもいいような

そんな子供なら、誰かに預けるんじゃなく、捨てちゃえばいいんです」

「雛乃....」

「でもそうしなかったのは、愛してたからだと思いますよ


2人のお母さんが一番苦しんでいたのはきっと....

愛桜のお父さんを裏切るような結果になってしまったことだと思うんです


だから、受け入れたくなかったけれど

自分の生んだ大切な子供だって分かってるから、捨てるなんて真似できなかったんだと思います」





自分の子供を捨てちゃえる人なんて世の中には沢山いる

それでも、捨てなかった

だったら、それは琉風さんを愛していたからとしかアタシには考えられない



愛桜が口を開く



「なら、自分で育てれば....」

「大切だから、傷付けたくなかったんだよ

琉風さんのお父さんは憎くなるほど、嫌いだとしても

琉風さんは大切だから、自分で傷付けることを恐れたんじゃないかな

アナタなんて産まなきゃ良かった、というような酷いことを言ってしまったら

なんていう想いがお母さんの精神状態を悪くしてたんじゃないかな


多分、お父さんもそれに気付いてたんだよ

だから、信用のできる自分の親友に預けたんだよ」