ちらりとあたしへ視線を向けた小鳥遊さんは何か言おうとしたが、その口はそれ以上動かされなかった。


潤さんも桃妃子さんも黙ってしまい、飛澤さんまでもが先程から口を開かない。
これからどうするのかとひやひやしていたあたしは、突然飛澤さんに腕を掴まれても抵抗できなかった。


「そうか、それがお前の答えなんだな。
だったら勝手に脱退でも好きにしろ。ただ、コイツだけは手放せない」

「なっ…! 実衣ちゃんは関係ないやろ!?
照道を襲撃するとかアホ抜かして、挙句鞠を連れて来るよう脅して…!」

「そうだったんですか…!? 沖宮さん貴方は僕のことまで庇おうと…」


力強く掴まれた腕はじんじんと痛んだ。
睨むように飛澤さんへ視線を向けて、すぐにあたしの瞳はこれでもかと言うくらいに見開いた。


「どうせこの女も俺から離れる。照道が知れば黙っていないだろうからな。
それでも…、失うなんてもうご免だよ」