桜に昨日のことを話した後、抱きしめてもらったことが嬉しかった。




でも、いつの間にか私は壊れていた。


全ての意味を、追求するようになったんだ。



───人間が生きてる意味って何? 子孫を残すため? 残してどうするの?


もう訳が分からない。



それに、桜と花帆のことも疑ってしまうようになってしまった。



───本当は桜と花帆も、杏奈ちゃん達側の人間なんじゃないの?


───信じたいよ。 信じたい。

でも今の私じゃ……人間不信になりつつある私じゃ、もう無理だよ。



ポロポロと涙が零れていく。




……涙が枯れた後、私は一人、部屋に篭って読書をしていた。


物語の世界の中でだけ、存在価値を見出せる……当時はそう思っていたから。



そして、とある本を読んでいた時に気が付いた。


私が〝死にたい〟と思ってしまう感情の名前を知った。




それは…………『寂しさ』だった。