「えっ…?」

私は社長から紙袋を受け取った。

紙袋にはパン屋の店名が印刷されていた。

この印刷されているパン屋さんって…!

「もしかして、会社近くにあるクロワッサンが美味しいって評判の…?」

そう聞いた私に、
「あら、知ってるの?」

社長が言ったので、私ははいと返事をした。

「以前、光明さんと一緒に食べたことがあって…」

その時に水族館に一緒に行きましょうって、誘われたんだっけな。

懐かしいその出来事は、まるで昨日のことのように覚えている。

そのことを思い出しながら、私は紙袋を開けた。

美味しいと評判で、あの時に食べたクロワッサンとチョコレートマフィンが入っていた。

紙袋からクロワッサンを取り出すと、焼きたてなのかアツアツだった。