「…も、やだ」

私が泣きながら言うと
雪は痛いほど私の体を抱きしめた。


「れる…帰ろう」

雪はまだ泣いている私の手を優しく包んで引いてくれる。


私の家について鍵を開けると雪は心配そうに私を見つめていた。

「…すこし、寄ってく?」


私がそう尋ねると雪は驚いたような顔をしてコクリと頷いた。


「…お邪魔します……」

私のあとについて来て雪はリビングのソファに座った。


「れる」

私がお茶を取りに行こうとすると雪が私を呼んだ。

何…?