「……あの二人…付き合うんだね」

雪に笑いながら言うと

君は怒ったような顔であおたちが行った方の道を見ていた。


「……雪?」

私が名前を呼ぶと雪は何も言わずに私を引き寄せた。


私を包む温もりに涙が溢れてきて
もう止まらなかった。



ほんとに付き合ったんだって。

私が望んでしたことなのに。


ほんとにそうなると涙は止まらなくなって。


“れる”ってあおが私を呼んでくれることはもう絶対なくて。

きっといつも桜がそばにいて。

桜といろんなことをして。


桜に私しか知らなかったあおのいろんな部分を見せるんだ。

いや、きっと私が知らない部分も。