意気地無しで。 過去に縛られて。 一人じゃ、何も出来ない。 あおと桜が教室を出ていく後ろ姿を見つめて、下唇を噛んだ。 あ、もう…涙……… 一粒、涙が落ちた瞬間に ふわりと包まれた匂いに安心した。 触れた体温に。 涙が、零れた。 そして君は…… もう、聞きなれたその綺麗な低い声で。 「れる」 私をいつも助けてくれる。 「……雪」 君は、私の……