「付き合ってるよ」
あおには見えないように雪の手をぎゅっと握って、俯いて少し震えた声でそう言った。
雪も、気付いたのかな。
「俺ら、付き合った」
そう言ってくれた。
“大丈夫”
って言うみたいに
私の手を優しく握り返して。
「………は?…まじで言ってんの」
あおは怒りや悲しみを帯びたような声で目で私を見つめる。
逃げちゃ、ダメだ。
「うん、私…雪が好き」
あおの目を見て、はっきりそう言う。
その時、あおの瞳が泳いだのを私は気付かなかった。
雪が指を絡ませて、きゅって握ってくれたから。
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